広島経済大学
メディアビジネス学部学部長
北野 尚人
第47回広島広告企画制作賞は、2026年4月19日に中国新聞社で審査会を行った。応募総数は昨年度より23作品増え164作品に上った。
今回も6名で審査を行った。特別審査員には、昨年に引き続き東京で活躍されている東北新社元社長でCMディレクターの「なかじましんや氏」をお招きした。また、今回は広島市立大学芸術学部の城井准教授にも新たにご担当いただいた。審査員の皆様の忌憚のない的確なご意見に関して、感謝を申し上げたい。
いずれの応募作品も昨年に増して力作揃いで、多くの部門で審査員間の評価が分かれる難しい審査となった。
今回は、生成AIやデジタル技術の進化とは対照的に、生身の人間による共感性や絆にフォーカスした広告が目立った。素人を登場させたリアリティ・親近感のある表現と、プロや著名人を起用した魅力度の高い表現の両方がみられた。また、周年を記念した広告が多かったことも特徴で、協会創立70周年にふさわしい広告企画制作賞となった。

講評 創業130年を迎えた「サタケ」の新聞15段広告で、淡いピンク色を基調とした、一見化粧品の広告かと思わせる意外性のある表現となっている。新聞広告ならではの記憶性と記録性を意し、130周年という大きな節目のタイミングで「感謝と愛」をアピールすることに成功している。(北野 尚人)
サタケ創業130周年の節目を飾った広告は、もはや単なる「新聞広告」の枠を超えた、圧倒的なブランディング・ステートメントです。 本来、保守的になりがちな周年広告において、あえてインパクトがあるピンクを全面に敷いたことで、読者の視線を瞬時に奪い、BtoB企業の無機質なイメージを鮮やかに変えました。感謝の気持ちを込めたメッセージを記す文字の書体、大きさも全体のイメージを壊さないように工夫されています。自社製品同様、緻密で考え抜かれた広告です。(平野 公穏)
新聞の金賞を受賞された「サタケ」。一見化粧品の広告か、と見間違いそうな「ビューティー」なビジュアル。肌を磨くのではなくお米を磨く。多分精米機を並べるだけではなかなか注目してもらえないのでは、という問題意識から生まれた「なんとかしなければ」。僕はこの「なんとかしなければ」がアイデアを生むのだと思っています。このアイデアにセンスを感じます。(なかじま しんや)