Winner第47回広島広告企画制作賞 受賞作品と審査員講評

審査総評

審査員長

広島経済大学
メディアビジネス学部学部長
北野 尚人

第47回広島広告企画制作賞は、2026年4月19日に中国新聞社で審査会を行った。応募総数は昨年度より23作品増え164作品に上った。
今回も6名で審査を行った。特別審査員には、昨年に引き続き東京で活躍されている東北新社元社長でCMディレクターの「なかじましんや氏」をお招きした。また、今回は広島市立大学芸術学部の城井准教授にも新たにご担当いただいた。審査員の皆様の忌憚のない的確なご意見に関して、感謝を申し上げたい。
いずれの応募作品も昨年に増して力作揃いで、多くの部門で審査員間の評価が分かれる難しい審査となった。
今回は、生成AIやデジタル技術の進化とは対照的に、生身の人間による共感性や絆にフォーカスした広告が目立った。素人を登場させたリアリティ・親近感のある表現と、プロや著名人を起用した魅力度の高い表現の両方がみられた。また、周年を記念した広告が多かったことも特徴で、協会創立70周年にふさわしい広告企画制作賞となった。

審査員紹介

  • 審査員長

    広島経済大学
    メディアビジネス学部学部長
    北野 尚人


  • 広島修道大学
    商学部教授・学長
    矢野 泉


  • 広島市立大学
    芸術学部准教授
    城井 文


  • 広島広告協会理事長
    平野 公穏
  • 特別審査員

    CMディレクター
    なかじま しんや

新聞・雑誌広告部門

単発(単一広告主)広告の部

金賞サタケ 創業130周年広告
「一粒を磨く、その技術に感謝と愛を込めて。」

  • 広告主/ ㈱サタケ
  • 制作会社/ ㈱サタケ
  • 制作者/ 宗貞毅、西名緯久男、大滝直司

講評 創業130年を迎えた「サタケ」の新聞15段広告で、淡いピンク色を基調とした、一見化粧品の広告かと思わせる意外性のある表現となっている。新聞広告ならではの記憶性と記録性を意し、130周年という大きな節目のタイミングで「感謝と愛」をアピールすることに成功している。(北野 尚人)

 サタケ創業130周年の節目を飾った広告は、もはや単なる「新聞広告」の枠を超えた、圧倒的なブランディング・ステートメントです。 本来、保守的になりがちな周年広告において、あえてインパクトがあるピンクを全面に敷いたことで、読者の視線を瞬時に奪い、BtoB企業の無機質なイメージを鮮やかに変えました。感謝の気持ちを込めたメッセージを記す文字の書体、大きさも全体のイメージを壊さないように工夫されています。自社製品同様、緻密で考え抜かれた広告です。(平野 公穏)

 新聞の金賞を受賞された「サタケ」。一見化粧品の広告か、と見間違いそうな「ビューティー」なビジュアル。肌を磨くのではなくお米を磨く。多分精米機を並べるだけではなかなか注目してもらえないのでは、という問題意識から生まれた「なんとかしなければ」。僕はこの「なんとかしなければ」がアイデアを生むのだと思っています。このアイデアにセンスを感じます。(なかじま しんや)

銀賞アンデルセングループ
メモリアル音楽会

  • 広告主/ ㈱アンデルセン・パン生活文化研究所
  • 制作会社/ ㈱電通西日本/㈱アンプ
  • 制作者/ 板東英樹、西本旭宏、山下眞由、
    松本光央、古多部喜裕、中橋里瑚、
    馬本美季

シリーズ・連合広告の部

金賞ふるさとの光プロジェクト

  • 広告主/ 西日本旅客鉄道㈱
  • 制作会社/ ㈱メディア中国
  • 制作者/ 阿部修、水木かおり、清水武司

講評 西日本旅客鉄道の特別協賛によって出稿された、各地域の知られざる魅力や新しい価値を発信する広告である。西日本の6新聞社が連携することで、幅広い情報の告知が可能となっている。「ふるさとの光」というキーワードによって、地域の持続的な発展を願う、社会性の高い広告である。(北野 尚人)

銀賞該当なし

電波広告部門

ラジオCMの部

金賞人類の進化

  • 広告主/ 立呑ぺん銀
  • 制作会社/ 広島エフエム放送㈱
  • 制作者/ 高野智之、長町智子、貢藤十六、
    俊山真美、藤井香苗、渡辺萌、
    吉田世一

講評 「立吞ぺん銀」というお店のラジオ広告で、「立ち飲み」を「人類の進化」という大変大げさな視点から捉えた、ユーモアとインパクトにあふれる表現となっている。地域に密着した飲食店ならではの広告として、耳と記憶に残り、印象度も高い。(北野 尚人)

銀賞みどりグループ
シン・マリホ水族館 20秒

  • 広告主/ みどりグループ
  • 制作会社/ ㈱中国放送/㈱中国四国博報堂
  • 制作者/ 重本萌々香、石川寛朗、林里穂、
    栗田英樹、野田裕太、横山雄二

テレビCM 15秒の部

金賞ずきゅん。

  • 広告主/ ㈱テレビ新広島
  • 制作会社/ kirin inc.
  • 制作者/ 永戸修司、吉田沙弥香、永田瑛二、
    三浦春菜、原田佳晃、細川円、
    大野方裕、篠丸怜斗、小田祥吾

講評 昨年に引き続き、TSSが展開するキャンペーンの15秒シリーズ広告である。「プロ野球審判員」「西村キャンプ場」「安佐動物公園」「広島電鉄」「お好み焼き」「見守り隊」という6テーマで、世の中を支えるプロの裏方たちの仕事をリアルに生き生きと描いている。「ヒト」の魅力による共感度の高い見事な広告表現である。(北野 尚人)

 CMでは15秒の金賞テレビ新広島の「ずきゅん。」シリーズ。広島に暮らす人々の生活の細かいところにまで目を向ける姿勢に放送局としての矜持を感じます。みんなを幸せにするために放送や新聞などのパブリックなメディアはあるのです。民間放送は今まさにその価値を取り戻す時。「ずきゅん」が良いきっかけになれば、と思います。(なかじま しんや)

銀賞アクアス 
シロイルカの赤ちゃん命名

  • 広告主/ 公益財団法人しまね海洋館
  • 制作会社/ ㈱電通西日本
  • 制作者/ 後藤耕太、髙瀬凛、新川昌明、
    川越壮馬、あだち翔吾、madoka、
    原田佳晃

テレビCM 30秒~180秒の部

金賞広島アンデルセンウエディング

  • 広告主/ ㈱アンデルセン・パン生活文化研究所
  • 制作会社/ ㈱電通西日本
  • 制作者/ 板東英樹、日向直樹、吉村葵、柚葉、
    千賀侑香、野口時男、牧野泰海、
    五十嵐あきら、由井昌宏、徳永義明、
    西本旭宏、松本光央

講評 アンデルセン・パン生活文化研究所が制作した、新しい表現を模索したチャレンジャブルなテレビ広告である。結婚式を控えた女性というターゲットの特性に合わせ、リアリティのあるモノローグを正方形の画面で伝える表現で、現代的な共感性を獲得した優れた広告である。(北野 尚人)

 30秒〜180秒の金賞「広島アンデルセンウエディング」 登場人物の気持ちが深く心に刺さります。一見おめでたい出来事である結婚。そして華やかな結婚式というイベント。でも当事者にはもやもやする気持ちが渦巻いている。この視点は多くの人の共感を得るのではないでしょうか。「やりたいことより、やりたくないことの中にあなたらしさがいる」というコピーがすごい。このメッセージが式場サイドから発せられているところにお客様への愛と勇気を感じます。ここまでわかってくれているところなら安心して相談できますよね。企業の思いとクリエイティブの感性が深く結びついてできた一本だと思います。(なかじま しんや)

銀賞MOBIRY DAYS
「あたらしい人生のDAYSに。」篇

(2026年3月放送)
  • 広告主/ 広島電鉄㈱
  • 制作会社/ Under Brush㈱
  • 制作者/ 奥野友輝、太田裕一、川之上智子、
    桝宮公平、今上憲一、藤本遥己、
    和田一将、前田偉希、植田瑠璃子、
    金子みすず、塚本恋乃葉、斎藤汰鷹

銀賞Dear Home 60秒

  • 広告主/ 創建ホーム㈱
  • 制作会社/ TRADEMARK INC.
  • 制作者/ 山本慎、西田智、和田昇、元圭一、
    川崎愛恵、川口達也、伊東良隆

SP広告部門

グラフィック1 
平面印刷の部(ポスター、チラシ)

金賞PEACE FOREVER PROJECT

  • 広告主/ ㈱中国新聞社ほか協賛各社
  • 制作会社/ ㈱電通西日本/IC4DESIGN
  • 制作者/ 吉田一馬、芹川ゆずき、
    カミガキヒロフミ、マツバラダイスケ、
    アヤノアユ、杉葉子、中本誠、石川潤

講評 被爆80年を機に、中国新聞社・長崎新聞社が合同で制作したクオリティの高いポスターである。精緻なイラストレーションで広島と長崎の街の観光地・文化・ゆかりの企業や団体が描かれている。協賛広告主がポスターの中にちりばめられている点も従来の広告と異なり、興味関心を引く。(北野 尚人)

 グラフィック作品で目を引いたのは「PEACE FOREVER PROJECT」 広島と長崎が被爆して80年。両市の新聞社が地元企業と力を合わせて平和を願って開催されたプロジェクト。これを広島に拠点を置く世界的なイラストレーターIC4DESIGNのイラストレーションで見事な表現に仕上げている。素晴らしいプロジェクトですがみんなとのコミュニケーションが生まれないとこの志は伝わりません。そこで「クリエイティブ」の出番です。じっと見てて全く見飽きない優れたクリエイティブがみんなと豊かなコミュニケーションを作ることに大きく寄与していると思います。(なかじま しんや)

銀賞宮島水族館15周年ポスター
「そろそろ篇」

  • 広告主/ 廿日市市
  • 制作会社/ ㈱中国四国博報堂
  • 制作者/ 藤川頼信、平野美羽、丹治美紀子、
    金具智子、下園朋子、MUN

グラフィック2 平面ページ印刷の部
(パンフ、冊子、刊行物、ページ建てチラシ)

金賞該当なし

銀賞広島県警察職員募集パンフレット
矜持【きょうじ】

  • 広告主/ 広島県警察本部
  • 制作会社/ 東光印刷㈱
  • 制作者/ 辻野可奈子、山村咲希、田頭禎子、
    渡辺尚、川上祐樹

グラフィック3 平面・立体特殊印刷の部
(DM、カレンダー、包装紙、パッケージ、紙袋、POPなど)

金賞該当なし

銀賞KELLY’S KITCHEN

  • 広告主/ 合同会社KELLY'S KITCHEN
  • 制作会社/ ㈱中本本店 LIGHTS LAB
  • 制作者/ 吉川富美子、長濱義嗣

インターネット広告部門

インターネット広告全般の部
(メインサイト、キャンペーンサイト、バナー広告など)

金賞SAKURAO GIN ブランドサイト
「今夜は、ジントニック。」

  • 広告主/ ㈱サクラオブルワリーアンドディスティラリー
  • 制作会社/ ㈱中国四国博報堂
  • 制作者/ 藤川頼信、片上清、中将哉、
    山中公治、細川円、柏木有、安永幸子

講評 サクラオがGINのブランディングと販売促進のために制作した広告である。クオリティの高いデザインと、現代的な世界観の構築によって、若年層を中心とした幅広い人にアピールするサイトとなっている。ボトルのジンも缶のジントニックもシズル感に溢れた表現で完成度が高い。(北野 尚人)

銀賞人生を飾ろう

  • 広告主/ 福山キッチン装飾㈱
  • 制作会社/ ㈱wolfram
  • 制作者/ 宮川洋一、田頭義憲、目黒陽謙、
    北林誠、河野佑香、全力片山

ウェブ動画広告部門

ウェブ動画広告全般の部
(ウェブ動画、サイネージ動画など)

金賞OK!!広島/WEBムービー

  • 広告主/ 広島県
  • 制作会社/ ㈱電通西日本
  • 制作者/ 吉田一馬、澤田悠太、小森香乃、
    金川慎一郎、吉野賢司、神野凌輔、
    佐梁恵次、柳矢一樹

講評 広島県の地域プロモーションキャンペーンの一環として制作されたWEB動画である。広島県出身の吉川晃司と奥田民生という2大著名人のユーモア溢れる掛け合いを動画にしたもので、2人のファンはもちろんのこと、幅広いターゲットにと思われる広告である。(北野 尚人)

 Web動画の「OK!!広島」。強いなあ!最高です!!(なかじま しんや)

銀賞大成ナグバス 
つナグ、のバス、ナグバス

  • 広告主/ 大成ナグバス㈱
  • 制作会社/ ㈱明宣社
  • 制作者/ 久保裕介、濱屋樹、藤本遥己、
    安徳良生、伊東良隆、あだち翔吾、
    藤本円、原田佳晃、大野方裕、
    和田一将、藤原世一、大宮竜太、
    坂元陽子、小田徳子、堀越奈緒美、
    柳未来、成海花音、ねりお弘晃

屋外広告部門

屋外広告全般の部
(看板、構造物、サイネージ静止画など)

金賞2026開幕プロムナードのぼり装飾
~選手武者絵風~

  • 広告主/ ㈱広島東洋カープ
  • 制作会社/ ㈱みづま工房
  • 制作者/ 西瑛里菜、坂本利恵、佐々木大輔、
    横田桃子、林貴裕、宮田洋、宮本栄次

講評 広島東洋カープが2026年のホーム開幕に合わせて制作した、選手を武者絵風に表現したのぼりである。各選手の特徴が似顔絵的によく描かれており、多くの人の注目を集める広告となっている。選手の名前をもとにデザインされたロゴも、武者絵風の世界観に彩りを加えている。(北野 尚人)

 2026年ホーム開幕に合わせてマツダスタジアムに展示されたカープ選手の武者のぼり。イラスト化された選手の顔がどれも特徴をとらえて激似です。他球団をモチーフにした動物のイラストや鯉をあしらったデザイン、選手名をロゴにアレンジするなど見どころが満載。カープグッズがたくさんあるにもかかわらず、このようなアイデア作品を思いつく制作者に脱帽です。じっくりと時間をかけて見てみたい作品群です。(平野 公穏)

 U35賞に輝いた西瑛里菜さんの「武者絵風カープ幟」は最高ですね!楽しい!面白い!そのほか西さんは広島東洋カープ周りのコミュニケーションをたくさん手がけておられて、この一連のクリエイティブには深いカープ愛を感じないではおられません。これからますます「推し」「ファン」の時代となっていくなか、みんなの応援を形にして表現できるのがクリエイティブの力だと思います。(なかじま しんや)

銀賞㈱エフピコ 福山駅構内
フラワーグラフィックポスター

  • 広告主/ ㈱エフピコ
  • 制作会社/ Nicolai Bergmann Co., Ltd./㈱近宣
  • 制作者/ Nicolai Bergmann Flowers & Design

キャンペーン賞

ブレンデッドジャパニーズウイスキー「SOGAINI」

(TVCM15秒、同30秒、グラフィック1、同3、インターネット広告、ウェブ動画広告)

  • 広告主/ ㈱サクラオブルワリーアンドディスティラリー
  • 制作会社/ ㈱中国四国博報堂
  • 制作者/ 藤川頼信、片上清、伊藤芽以、
    中将哉、山中公治、泊香澄、
    荒木梨沙、岸浩一郎、あだち翔吾、
    藤本崇広、オクトシヒロ、髙橋幸一、
    田畑伸悟、渕野公貴、川之上智子、
    米村知晃、元圭一、柏木有

講評 サクラオの8種類の広告がエントリーされた大規模なキャンペーンである。TVCM、ポスター、等身大POP、サイト、メイキング動画など幅広い展開を行っている。表現としてのクオリティも高く、商品のシズル感とタレントの魅力を十分に演出した魅力的なキャンペーン広告と言える。(北野 尚人)

 様々なメディアでプロモーションを展開しているサクラオさんの力の入りようは半端ではないですね。SOGAINIのユニークなロゴを中心にしたパッケージデザインは「は!」と心を奪われます。それだけでなくweb動画やブランドサイトのクリエイティビティも一貫して素敵で商品のみならずそれらを生み出している土地の豊かさを感じます。とても丁寧なクリエイティブの積み重ねが企業の風土を伝えブランド作りに大きく寄与していると思います。U35賞に輝いた伊藤芽似さん、おめでとうございます。(なかじま しんや)

キャンペーン特別賞

駅前大橋ルート開業「新線、芽吹く。」シリーズ

(新聞単発、TVCM15秒、同30秒、グラフィック1、同3、ウェブ動画広告)

  • 広告主/ 広島電鉄㈱
  • 制作会社/ Under Brush㈱
  • 制作者/ 奥野友輝、山本ヨシヒコ、大久保浩秀、
    桝宮公平、園川励志、今上憲一、
    藤本遥己、和田一将、上田加代子、
    川口達也、瀧川裕恵、藤孝紘、松上佑意

講評 広島電鉄が駅前大橋ルートの開業に合わせ、「新線、芽吹く」というキーワードの下、展開した複合的なキャンペーン。変わりゆく広島の姿をアピールした。広島電鉄の路面電車がJR広島駅ビルに乗り入れた歴史的な出来事を世の中に伝えた、メモリアルな広告である。(北野 尚人)

U35クリエーター賞


伊藤 芽以
㈱中国四国博報堂

広告主/作品名〈役割〉㈱ひろぎんホールディングス/ひろぎんホールディングスカレンダー2026「HEARTFUL」〈企画〉、㈱サクラオブルワリーアンドディスティラリー/ブレンデッドジャパニーズウイスキー「SOGAINI」ブランドサイト〈クリエイティブプラナー〉


西 瑛里菜
㈱みづま工房

広告主/作品名〈役割〉㈱広島東洋カープ/2026開幕プロムナードのぼり装飾~選手武者絵風~〈アートディレクター、デザイナー〉、㈱広島東洋カープ/屋内練習場壁面装飾(モザイクアート風装飾)〈アートディレクター、デザイナー〉

受賞作品以外で
審査員の気になった作品

新聞・雑誌広告部門
単発(単一広告主)広告の部

新緑、芽吹く。

  • 広告主/ 広島電鉄㈱
  • 企画制作/ Under Brush㈱

講評 やさしい水彩のタッチで広島の街が生まれ変わっていく空気を描き、市民に大きなワクワク感をもたらす役目を果たした広告です。(矢野 泉)

技術は何のためにあるのか、問い続ける。

  • 広告主/ マツダ㈱
  • 企画制作/ マツダ㈱

講評 原爆ドームや相生橋を中心に、広島を描くよくある構図のようではありますが、被爆80年の8月6日の朝に出された広告として、あえて原爆ドームに強くフォーカスせず、さりげない日常の街の一つの風景のように描かれていることがたいへん意義深いと感じました。手前の元安橋にこれまたさりげなくマツダの車であろう赤い車が走っています。もしこの車がマツダCX-80だとすると、80つながりという隠れメッセージもあったのでしょうか。(矢野 泉)

わたしたちは、ゆるがない。

  • 広告主/ 広島信用金庫
  • 企画制作/ ㈱中国新聞アド

講評 自分はこの広告を評価した。広島に来ると被爆建物が目に入る事がよくある。石などの建材は丈夫で残る。一瞬で全てを破壊した原爆に耐えた柱は何があっても大丈夫、安心できると思わせてくれる。銀行は人々の暮らしから産業まで支える地域の要である。残った柱のように、過去の凄烈な攻撃から立ち上がり、今後また何があってもこの銀行は頼りになるというメッセージを一瞬で見る人に伝える力のある広告だ。(城井 文)

学校法人鶴学園 70周年広告 全新聞15段

  • 広告主/ 学校法人鶴学園
  • 企画制作/ ㈱中国四国博報堂

講評 紙面を開いた瞬間、子供たちのキラキラとした笑顔と、一生懸命に書かれた「将来の夢」の数々に、思わず目が釘付けになりました。周年広告というと、どうしても学校の歴史や実績を誇る内容になりがちですが、この広告の主役はどこまでも「生徒さん一人ひとり」です。学園が子供たちを大切に育てているという「愛情」がしっかりと伝わってきました。子どもたちのエネルギーに満ちたこの作品は、見ているこちらまで元気にしてくれます。(平野 公穏)

電波広告部門
テレビCM30~180秒の部

下瀬美術館 心に響く、世界で最も美しい美術館30秒篇

  • 広告主/ 一般社団法人下瀬美術館
  • 企画制作/ ㈱エモーショナルワークス

講評 下瀬美術館の美しさを丁寧に表現した30秒のTVCMである。色彩と画像の美しさによって、下瀬美術館の魅力を余すことなく伝えている。瀬戸内海を感じ、建築美にも触れることができる新しいスタイルの美術館としてのブランディングに貢献している。訪問してみたくなる気持ちを引き起こす、優れた広告である。(北野 尚人)

SP広告部門
グラフィック3 平面・立体特殊印刷の部(DM、カレンダー、包装紙、パッケージ、紙袋、POPなど)

月のワルツ

  • 広告主/ ㈱やまだ屋
  • 企画制作/ ㈱中本本店 LIGHTS LAB

講評 22時に食べても許されるという気持ちにさせるスイーツのパッケージを考えるのは、制作側も楽しかったのではないかと感じました。商品自体、新たな商品カテゴリーとしての面白い予感がしますが、パッケージも様々なチャレンジがなされていて、興味深く思いました。(矢野 泉)

SP広告部門
ウェブ動画広告部門

立つ感覚に、革命が起きる。 stand-ez店頭サイネージ動画

  • 広告主/ 広島化成㈱
  • 企画制作/ ㈱中国新聞アド福山支社

講評 広島化成の「stand-ez」というシューズの店頭サイネージ動画である。「立ち続けるあなたへ、革命を」というキャッチコピーが商品の魅力を的確に表現しており、具体的な機能やエビデンスの説明もわかりやすく、納得感のある広告となっている。履いてみたくなる気持ちに誘導させられる、優れた商品広告である。(北野 尚人)

鴨居玲展「ひろ美」篇

  • 広告主/ ひろしま美術館
  • 企画制作/ ㈱ADKマーケティング・ソリューションズ

講評 「ひろ美」という美術館とはすぐに結びつかないキーワードで観る側の疑問を喚起し、CMの中で疑問と観ている側の疑問が同期して進む作品です。このような構成はよくある構成ではありますが、不自然さがなく素直に疑問を持ちながら観ることができたという点で好印象でした。(矢野 泉)

前を向くすべての女子たちへ受験生篇・前を向くすべての女子たちへ母親篇

  • 広告主/ 安田女子大学
  • 企画制作/ ㈱バズクロウ

講評 大学受験と初めての1人暮らしに対する不安な気持ちがしっかり伝わってくる。愛情はあるのにお互いにどう接していいのかに悩む母子の難しい時期を、短い会話で表現している点を高く評価した。大学は高校までの勉強の仕方と違い、自分で授業を取り、自主的な学びと目的を持つことが重要な場所。そこに向かっていく両親、受験生の覚悟を丁寧に描き、最後の見送りではその覚悟に涙を誘う演出になっている。全ての大学受験生に見て欲しい内容ではあるが安田女子大学を受験しない人々や、そもそも受験をしない人に対しても見やすいようもう少し短いと賞も視野に入ったと思う。(城井 文)

知ってほしい、ヤングケアラーのこと

  • 広告主/ 広島県
  • 企画制作/ ㈱中国四国博報堂

講評 ヤングケアラーの負担の重さと、その人数の多さがわかりやすい。また救いの手の先を知らしめる為に今の広島、日本にとって必要な広告だと感じた。広島県がヤングケアラーを救う為に何をしてくれるのか、もう少し具体的な描写があればよりヤングケアラーに安心感を与えたと思われる。また糸で人と繋がるアニメーションのアイデアは素晴らしいが、デジタルで描れた線が太すぎるため、人物がもう少し見やすいと視認性が高まったと思う。イラストはわざとラフにしているのだと思うが、個人的には、丁寧な印象を与えるイラストでも良かったのではないかと思った。(城井 文)

HIPPY COOK

  • 広告主/ 広島県
  • 企画制作/ ㈱電通西日本

講評  広島県が、広島の小中学生が考えたレシピをもとに、広島食材の新たな魅力と活用法を啓発したウェブ動画である。HIPPYのパワフルでインパクトのあるキャラクターと、テンポの良い展開によって、注目度の高い表現となっている。見る人の「食べたい・作ってみたい」という気持ちを喚起する広告である。(北野 尚人)

ほねえさん

  • 広告主/ 広島県
  • 企画制作/ ㈱電通西日本

講評 短く簡潔でネーミングもわかりやすい。キャラクターが媚びておらず広島弁を使っているのも好感が持てる。1点、シンプルだからこそアニメーションの動きが問われる広告なので、髪の毛の揺れなど慣性の法則は若干使っているもののもう少し抑揚を使うなどするとさらに動きがわかりやすくなったのではないか。(城井 文)

アニメーションCM「企業」校歌篇・すれ違い篇・部活篇・予告篇

  • 広告主/ 池田糖化工業㈱
  • 企画制作/ ㈱中国新聞アド福山支社

講評 いずれも緩急のテンポがよく「池田糖化工業」という企業名が必ず記憶に刻まれる動画です。目的が明確で気持ちがよいです。個人的には「校歌篇」と「予告篇」がたいへん気に入っています。ただ、私が気に入るということは、反対に若い世代にどのように受け止められるかについて不安を感じましたので、リサーチしてみてもよいかもしれません。(矢野 泉)

(敬称略)