Winner第41回 広島広告企画制作賞 入賞作品

新聞・雑誌部門

単発(単一広告主)広告の部

金賞創立100周年記念新聞広告

  • 広告主/ マツダ(株)
  • 企画制作/ (株)博報堂
  • 制作者/ 藤田誠、藤本恵利、三宅かおり、倉重彩花、石原智浩、胎中英信

審査総評 100周年という節目に、ステークホルダー全員に向けて感謝の意を表した広告である。歴史を感じさせる写真の数々が黒色の引き締まったフレーム処理によって読者の興味関心を引く表現で、中央白文字の100という数字が強いインパクトで100周年をアピールしている。文字情報を少な目にして、歴史的な価値のある写真をコラージュのようなレイアウトで配した、視覚に訴える現代的な表現となっている。モノクロ写真の多さもマツダの長い歴史を暗示させ、古くからのマツダファンであった読者の琴線に触れるような広告となっている。地域を代表する企業であるマツダならではの重厚な企業広告と言える。

銀賞「100年後の未来をみつめて」

  • 広告主/ 藤い屋
  • 企画制作/ (株)SANYO KOUKOKU
  • 制作者/ 笹生八穂子、近藤篤、柿木原政広、河原まゆみ、渡部沙織

新聞・雑誌シリーズ広告の部

金賞ひろしま盆ダンス

  • 広告主/ (株)中国新聞社
  • 企画制作/ (株)中国新聞広告社
  • 制作者/ 岩永英樹、三吉明彦、久保千紘、岡本洋幸、迫文雄、相原義彦

審査総評 圧倒的な紙面構成で興味を引き、読者に読ませる工夫に満ちたシリーズ広告である。昨年も金賞に輝いたシリーズ広告であるが、今年は更にパワーアップしている。
 情報量の多い内容を文字情報とビジュアル情報の効果的な組み合わせによって表現し、読者が読んでも見ても楽しめる構成となっている。さらに、他のメディアやツール類との連携も巧みに行った立体来なキャンペーンとなっており、広島の定番イベントとしての地位を築くことに貢献している。

銀賞このまち思い物語

  • 広告主/ 広島ガス(株)
  • 企画制作/ (株)読売広告社
  • 制作者/ 今村嘉紀、山辺雄一、柴崎弥生

新聞・雑誌企画連合広告の部

金賞<ひろぎん>ニューリーダー
クラブ 10周年記念広告

  • 広告主/ (株)広島銀行
  • 企画制作/ (株)中国四国博報堂
  • 制作者/ 久保雄司、松浦隆文、住吉千亜紀、新原麻友、兵藤世、中将哉、岡田愛未、住田茜、元圭一、
    大野方裕、藤本遥己、金由梨、須賀絵美

審査総評 広島を代表する企業の経営者の颯爽としたポーズが読者の目を引く、躍動感に満ちた広告である。一般的には重厚な表情になりがちな企業経営者が軽やかで柔軟なイメージで登場し、読者をはじめ各社の取引先・社員の皆さんに強力にアピールする表現となっている。顔やバストショットではなく全身で登場し、しかも体全体の動きが魅力的なビジュアルとなって、読者の目を引く広告である。動きの一瞬を捉えたカメラマンと衣装のコーディネートを担当されたスタイリスト、さらに動きを指示された演出者に敬意を表したい。

銀賞フラワーフェスティバル 
ラッピング

  • 広告主/ (株)中国新聞社・協賛各社
  • 企画制作/ (株)電通西日本広島支社
  • 制作者/ 吉田一馬、小早川大貴、平岡萌々華、書家 翠蘭、楠木乗治

電波部門

ラジオCMの部

金賞お好み焼王国伝説、青年の叫び

  • 広告主/ オタフクソース(株)
  • 企画制作/ (株)中国四国博報堂
  • 制作者/ 野田幸男、有田奉生、出口さゆり、高尾六平太、風呂哲州、阿佐佳寿美、Satoshi

審査総評 戦国時代の群雄割拠の状況をパロディ化し、広島を「お好み焼き王国」と捉え、「我が王」が広島弁で「お好みでよかろう」とまとめた物語風のラジオCMである。様々な食べ方を許容するお好み焼きの奥深さをユーモアたっぷりのナレーションでアピールした表現であり、聴く人の興味関心を引くラジオ広告である。さらに、「青年の叫び」は極めて分かりやすく、耳に残る広告である。「どちらかといえば野菜料理」というアピールを「青年の主張」のスタイルで叫ぶユーモア溢れる表現であり、広島人にとっては共感度の高い内容のラジオ広告である。

銀賞世羅町観光協会 カープナイター
中継用ラジオCM

  • 広告主/ 世羅町観光協会
  • 企画制作/ (株)RCCフロンティア
  • 制作者/ 塚本学、宮﨑夏音、森下朋之

テレビCM 15秒の部

金賞第25回参議院議員通常選挙 
セイジとわたしの夏がはじまる
教室篇、部活篇、お昼篇、下校篇

  • 広告主/ 広島県
  • 企画制作/ (株)電通西日本広島支社
  • 制作者/ 後藤耕太、古賀健悟、荒木梨沙、難波はるか、和田和也、児玉仁美、田畑伸悟、安木寛剛、
    齊藤晃久、宮本文太、梶原章平、嶋村一秋、鶴浜ひろみ、岡嵜祐子、赤峰蘭、松田唯奈、
    眞崎篤史、馬場美江、北川満彦、鶴丸正太郎、梶野夢子、福田久隆

審査総評 女子高校生のストーリー仕立てが、メインターゲットである若い有権者に興味を持って受け入れられる広告である。「セイジ」君という架空の男子高校生をイメージし「政治」という言葉と結び付けたダジャレ的な表現はユーモラスであり、幅広い視聴者にアピールできる。また、選挙期間の短期間の間に数パターンの表現で出稿されたため飽きずに視聴でき、興味関心を引くことに成功している。18歳からの若い有権者の投票率向上のためのテレビCMとして優れた表現の広告である。

銀賞JA尾道市はっさくゼリー「つまってる」篇「無難なCM」篇

  • 広告主/ 尾道市農業協同組合
  • 企画制作/ (株)中国四国博報堂
  • 制作者/ 中村謙一、谷本光平、宮川博至、奥野友輝、セトタカアキ、桝宮公平、赤木健司、澤田和秀、
    溝口圭介、あみ、武田亜紀、岡本啓二郎、山田明奈

審査員特別賞#SETOUCHI CULTURE #ENGAWA

  • 広告主/ 瀬戸内生活様式研究所
  • 企画制作/ TRADEMARK INC.
  • 制作者/ 山本慎、西田智、眞田佳輝、小田祥吾、元圭一、藤本遥己

テレビCM 30秒~180秒の部

金賞企業TVCM「先へ」シリーズ

  • 広告主/ 中国電力(株)
  • 企画制作/ (株)中国四国博報堂
  • 制作者/ 鷹觜愛郎、久保雄司、松浦隆文、西原一幸、米田恵子、安斎剛、篠田侃隆、笹谷卓也、
    本田明弘、MassiveMusic、画龍

審査総評 地域とアジアという視点から、企業活動に関して見事なアピールを行っている堂々たる企業広告である。記録映画のような仕立てとなっており、視聴者に企業のスケール感とグローバル感、さらに社会貢献に熱心な企業であるイメージを的確に伝えている。ドローンの撮影技術を駆使したテンポの速い画面の変化と軽快でアップテンポな音楽によって、地域に密着しつつ同時にグローバルな展開も行っている企業の活動を表現し、視聴者の興味を引く広告となっている。中国地方を代表する企業ならではのクオリティ感に溢れるCMである。

銀賞trying never stop

  • 広告主/ (株)マリモ
  • 企画制作/ (株)電通西日本広島支社
  • 制作者/ 八木泰介、後藤耕太、前田達也、中西信児、倉田一、清水愛菜、大洞萌花、前田達也、
    遠藤裕美子、城島圭輔、富取正明、村上節郎、津野真吾、MAKI、田村勇樹、高山輝之、
    杉本彗、丸本嘉則、古田晋太朗

SP部門

①グラフィック1 
平面印刷(ポスター、チラシ)の部

金賞<福屋創業90周年記念企画>
福屋のあゆみポスター展~
出会い、感動、思い出の90年。~

  • 広告主/ (株) 福屋
  • 企画制作/ (株)みづま工房
  • 制作者/ 髙橋由香、山竹善樹、久原大樹、横川雅成、吉川俊治、井上紀子

審査総評 35作品の応募があった、最も競争の激しいカテゴリーである。
 金賞に輝いたのは、90年の歴史を写真集のようなスタイルで表現した47種類のポスター広告で、店内の各エスカレーターサイドに掲出されたものである。モノクロの写真が多く、老舗百貨店ならではの歴史を時代ごとに追うことができ、来店者の目を楽しませるシリーズ広告となっている。フロアーごとに異なるポスターとなっており、わざわざこのポスターを見るために各階を回った人々もいると思われる。百貨店は世相を反映する業種であるため、広島の歴史を振り返る役割も果たした秀逸なポスターである。

銀賞#miyajimapublicaquarium

  • 広告主/ 廿日市市
  • 企画制作/ (株)中国四国博報堂
  • 制作者/ 藤川頼信、玉井洋行、金具智子、下園朋子、中園響、MUN

審査員特別賞「負けないで!」
3連ポスター

  • 広告主/ 鼻岡けいこ皮フ科クリニック
  • 企画制作/ (株)ニューズアンドコミュニケーションズ
  • 制作者/ 田村秀樹、稲田洋子、空良和、久保千紘

②グラフィック2 平面ページ印刷
(パンフ、冊子、刊行物、
ページ建てチラシ)の部

金賞60周年記念誌

  • 広告主/ 友鉄工業(株)
  • 企画制作/ (株)中本本店 LIGHTS LAB
  • 制作者/ 梶谷剛彦、野村朱里、加藤祐子、前田憲明、片上久也

審査総評 創業60周年を記念して制作された周年誌で、迫力あるビジュアルを重視した誌面構成となっている。現場で社員たちが働く姿、創業者と当時の仲間の座談会、全社員の姿、歴史を刻んできた道具など、多様なコンテンツを興味深いビジュアルで表現している。この周年記念誌の制作と連動させて、ロゴタイプの刷新、周年ノベルティとしてのタオルの製作、封筒や名刺などのビジュアル・アイデンティティの見直しなど、周年事業としての幅広いクリエイティブとなった点も評価できる。

銀賞きここち

  • 広告主/ ヤマネホールディングス(株)
  • 企画制作/ (有)ペンギングラフィックス
  • 制作者/ 中村和人、田中朋博、乃万郁美、谷麻美、壷倉俊介、山口正人、北恵けんじ、石田美由紀、
    福島純子

③グラフィック3 平面特殊印刷
(DM、カレンダー、包装紙など)
の部

金賞HP Elite Dragonfly DM

  • 広告主/ (株)日本HP
  • 企画制作/ (株)中本本店 LIGHTS LAB
  • 制作者/ 梶谷剛彦、森下恒星

審査総評 全国企業のDMを広島の印刷・制作会社が担当・制作した注目度の高い表現である。新発売のノートパソコンを既存ユーザーにアピールするために制作されたDMであり、最大のポイントは原寸大のサイズで、独自の印刷技術によって実機と遜色のない仕上がりとなっていることである。あたかも新機種が手元に届いたような錯覚を与えるくらいのインパクトのあるアイデアに富んだDM表現であり、ユニークなアイデアと特殊印刷技術によって実現した広告である。

銀賞2020カレンダー
「広島の美しい道、四季を
ココロでつなぐ
ストーリー。」

  • 広告主/ 広島信用金庫
  • 企画制作/ (株)原色美術印刷社
  • 制作者/ 阿部ヒロシ、水穂真善、田尾直也、戸田智崇

④グラフィック4 立体特殊印刷
(パッケージ、紙袋、POPなど)
の部

金賞SPICE UP!

  • 広告主/ 12人の生産者
  • 企画制作/ (株)中本本店 LIGHTS LAB
  • 制作者/ 吉川富美子、梶谷剛彦、森下恒星、竹内直人、野村朱里、橋岡洋信、上雲地由美、柏原まりえ

審査総評 「ひろしま食べる通信」というプロジェクトに関係した12人の生産者それぞれの魅力と価値をビジュアル化し、様々なアイテムへ展開したユニークな取り組みである。生産者のためのロゴマーク、商品のパッケージデザイン、Tシャツやエプロン・暖簾、名刺といった幅広いクリエイティブをそれぞれ12種類制作した力作である。デザインセンスも現代的でナチュラルなカラーリングとともに好感の持てる仕上がりとなっている。従来、広告やデザインと縁遠かった一次産業の対外的なアピールに貢献したことは高く評価できる。

銀賞宮島モノ語

  • 広告主/ 宮島町商工会
  • 企画制作/ (有)ペンギングラフィックス
  • 制作者/ 中村和人、さとうみどり、清水真弓、中村富子、谷麻美、壷倉俊介、粟根靖雄、三宅真理子

インターネット広告

インターネット広告全般の部

金賞サタケにチャレンジ!!

  • 広告主/ (株)サタケ
  • 企画制作/ ㈱電通西日本広島支社
  • 制作者/ 渡瀬元、土井薫、西方将馬、伊賀靖彦、斉藤宏、小野響、西井昌哉、川上昌平、中田大智、
    岡山宏、中丸賢二、鈴木裕太、土井翔太、本末敬祐、株式会社フォノグラム

審査総評 YouTubeとの連動を重視し、学生をはじめとする一般人の若者が登場するスタイルのWEBサイトである。様々なテーマをYouTube動画で見ることができるため、サイト来訪者が楽しめる構造となっている。一般視聴者へ向けてのアピールに加えてリクルートの狙いも考えられており、就活中の学生へ向けての社名認知の向上や業務内容理解促進にも効果を発揮している。実験動画的な映像はYouTubeにおいても一般的な表現であるため、若者からの親近感を得る事にも成功している。

銀賞ASTCアジアトライアスロン
選手権 2020 廿日市
「大会紹介ムービー」

  • 広告主/ ASTCアジアトライアスロン選手権廿日市実行委員会
  • 企画制作/ (株)みづま工房
  • 制作者/ 伊藤通祐、中村聡志、仁井拓、赤木健司、柴崎旭仁

屋外広告部門

インターネット広告全般の部

金賞イオンモール広島祇園10周年
「1年中、お祝いちゅー!」

  • 広告主/ イオンモール広島祇園
  • 企画制作/ (株)中国四国博報堂
  • 制作者/ 中村謙一、丹治美紀子、小坂明日香、竹内真二郎、眞野美月、山口哲生、康輔、林原純、
    湯浅真理子、野口純子

審査総評 エレベーターの開閉する特性を活かした表現で、非常にシンプルではあるがインパクトのあるエレベーターの扉広告となっている。「1年中、お祝いちゅー!」というコピーが書かれたエレベーターの扉が閉まると、右側の少年が左側の少女にキスをするように見えるという動きのある表現である。「ちゅー」とキスというつながりもさることながら、非常にほほえましいビジュアルとなっていて、来店者からの好感度の高いアイデア型の広告である。

銀賞エディオン広島本店 
ツインタワー開幕

  • 広告主/ (株)エディオン
  • 企画制作/ (株)電通西日本
  • 制作者/ 川口修、盛田真介、平林克之、本みのり、島田洋平、岡元美佑紀、吉村咲紀、峯加音里、
    上原桂、小川ミキ、玉井映貴、徳田英志、寺田和美、小林文朋、大西正人、勝端順一、
    下田栄一、中村優一、野間峻祥、川辺駿、西前忠久、金井利治

審査総評


広島経済大学 教授
メディアビジネス学部長
北野 尚人

 第41回広島広告企画制作賞応募作品は、平成から令和へ変わった年の作品であることと、応募締切の間際に新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつあったことが特徴的である。そのため、周年をテーマとして企業の歴史を振り返る内容が多かったことが第一の傾向として挙げられる。一方、新型コロナ感染症を意識した広告はまだ見られなかったものの、実際には新型コロナの影響で当初の予定どおり開催できなかったイベントの告知も散見され、関係者の無念さを感じる審査もあった。
 具体的内容としては、SDGsのような社会的な考え方を念頭に置いたもの、共感性を重視したもの、ユーモアを前面に立てたものなど、多様な広告表現が見られた。
 また、近年伸長の著しいインターネット広告部門では、ショートムービー型やYouTube連動型といった動画表現を重視したものと、Webサイトとしての仕組を重視したものに分化する傾向がみられ、今後の審査の方法に関しては再検討が必要な状況となっている。
 昨年度に比べて応募総数は減少したが、全体を通じて広島のクライアントとクリエイターの広告に対する情熱と工夫を感じる制作物が多かったことをご報告申し上げ、審査総評とする。

第41回 広島広告企画制作賞
応募作品展